その手で溶かして

「真雪ちゃん、紅茶頼んだよね?これって……」



私は目の前のグラスを見ながら、固まってしまう。



ねぇ、どうして?



「拓海!真雪ちゃんのドリンク間違えてるよ!」



ナオは大声でウミに話し掛けているけど、ウミは聞こえていないのか反応しない。



「変えてもらう?」



「これでいい。」



「そっか。」



ウミは私のドリンクを注目し間違えた訳ではない。



無意識にこれを選んでしまったのだろう。



でも、どうして?



私を“真雪”と呼んだ時点でウミは私との関係に線を引いたんじゃなかったの?



それなのに……



私の前に佇むミルクティー。
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