その手で溶かして
3時間もいたカラオケ店から出ると、もう日がすっかりと落ちていた。
群青色の空に向かって、私は息を吐き出す。
すると、二酸化炭素が白い煙となって、空気中に消えて行く様子がはっきりと見える。
茶色に混じるミルクのように……
ナオは私が退屈しないように、色々な話をしてくれていたけど、私の耳にその内容が届くことはなかった。
私は遠い記憶へとタイムスリップしたかのように、あの日のことばかりを思い出す。
ミルクティーが好きになった日のこと……
そして、ミルクティーを嫌いになった日のこと……