その手で溶かして
「ナオ、私もあそこのコンビニにいるから。」
私達のいる場所から、道路を挟んで斜め前にあるコンビニを指さすと、爪先を見ていたナオの視線がやっと上へと向いた。
「わかった。終わったら行くから。」
「えぇ。」
私は足早にその場を離れた。
そんなに大きな道路ではないから、左右確認をして信号のない場所を一気に駆け抜ける。
そんなに遠くはない所に信号機はあったのだけれど、なんだか早くこの場を離れたほうがいいような気がして……