その手で溶かして

何も喋らないナオに手を引かれるがまま、私達は待ち合わせをした喫茶店に来ていた。



ナオは意味があって、この喫茶店に戻ってきたのか、それとも、この場所しか思いつかなかったのか……



本日2度目の喫茶店で、注文を終えると、やっとナオが口を開いた。



「真雪ちゃん……私、振られちゃった。」



「うん。」



ナオの様子を見ていれば、良いことがあったなんて思えない。



悪い結果だったのだろうということくらいは、私にだってわかる。

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