その手で溶かして

派手すぎないメイクが今日もバッチリと決まっているレイちゃんは、朝から素敵だった。



勉強だってできるし、自立した考え方を持っている。


けれど、私のように必要なこと以外に興味を示さないわけではなく、流行にも気を配っている子だった。



「悩み事?」



「私のことじゃないの。知り合いがちょっと……」



「そうだったの。真雪ちゃんの悩み事なら聞いてみたかったのに。」



私達は校舎へと足を進めながら、会話を交わす。



「私はあまり悩まないかもしれない。」



「私もよ。私達、似てる所が沢山ありそうよね。」



レイちゃんと私が似ているだなんて、なんだかレイちゃんに申し訳ない気がする。



「あっ、1講目はこっちの校舎じゃなかった。」



そう言いながら慌てて、来た道を戻って行くレイちゃんの後ろ姿を、ぼんやりと眺めていた。


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