その手で溶かして
「それなら、バイトをすれば?」



「バイトね……」



考えなかったわけではないけれど……



未知の世界に飛び込むのは、かなり勇気がいる。



それに、バイトをしたくても、どうすれば出来るのか私にはわからない。



「バイトするのは嫌なの?」



「嫌なわけじゃないわ。ただ、したことがないから、よくわからなくて。」



「なら、私に任せて!高校の時から色んなバイトしてるから。」



ナオは胸を張って、私を見つめる。



楽しそうにしてるのは、なんで?



そう聞きたかったけれど、ナオが作り笑顔をしていないなら、それでいいと思い、でかかった言葉を飲み込んだ。
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