その手で溶かして

「あっ、でも知り合いの人に見られたくないとか思ってるなら、遠い所でもいいと思う。」



「特にないから、家の近くにしようかしら。それなら、学校が休みの時もたいぎにならないだろうし。」



「オッケー!!じゃあ、次は職種だけど……これを決めるのが難しいよね。」



「私は人付き合いが苦手だし、マニュアル通りにこなせばいい仕事が向いていると思うんだけど。」



そんな職種がアルバイトにあるかどうかは知らないけれど、この希望だけは通して欲しい。



笑顔を振りまいて、スマイル0円なんて、とてもじゃないけどできそうにない。




「ふむふむ。あとは給料だけど……」



「それは貰えればいい。時給はナオに任せる。」



「オッケー!」



私の言葉を聞きながら、ピコピコと携帯を打ち始めるナオ。



指の動きを追っていると、その速さに目が回りそうだ。


< 329 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop