その手で溶かして
「あっ、でも知り合いの人に見られたくないとか思ってるなら、遠い所でもいいと思う。」
「特にないから、家の近くにしようかしら。それなら、学校が休みの時もたいぎにならないだろうし。」
「オッケー!!じゃあ、次は職種だけど……これを決めるのが難しいよね。」
「私は人付き合いが苦手だし、マニュアル通りにこなせばいい仕事が向いていると思うんだけど。」
そんな職種がアルバイトにあるかどうかは知らないけれど、この希望だけは通して欲しい。
笑顔を振りまいて、スマイル0円なんて、とてもじゃないけどできそうにない。
「ふむふむ。あとは給料だけど……」
「それは貰えればいい。時給はナオに任せる。」
「オッケー!」
私の言葉を聞きながら、ピコピコと携帯を打ち始めるナオ。
指の動きを追っていると、その速さに目が回りそうだ。