その手で溶かして
「店長が、今日来て欲しいって。今、丁度人出が足りないみたい。」



「えっ?今日?」



アルバイトと言えども、こんなにも簡単に働けてしまうことに驚いた。



「何か、用事でもある?」



「ないわ。ただ、急だったから、驚いただけ。」



「良かった。これから行くって勝手に返事しちゃったから。」



そう言いながら、舌を出すナオの仕草がなんだか可愛いかった。



「履歴書なんかは必要ないの?」



「いらないよ!一応、面接もどきをして、即採用だって。仕事内容なんかを聞いてから真雪ちゃんが良ければだけどね。」



「ありがとう。」



私はナオに頭を下げた。



私一人だったら、こんなに早く働き口は見つからなかっただろう。



それ以前に、アルバイトをしようと考えるだけで、時間ばかりが過ぎていた気がする。
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