その手で溶かして
「そんなにお礼言われることじゃないよ!頭上げて!それより、コンビニ行ってあげて。店長待ってると思うから。」



「そうね。長々と待たせるのは悪いものね。」



私は顔を上げ、立ち上がった。



「私も今日は帰ろう。真雪ちゃんのお陰で元気出たし。」



私に腕を絡め、お店から地下鉄までの道程を歩いた。



ナオのことが心配で会ったはずなのに、ナオにお世話になる形となってしまった。



今度、改めてお礼をしなければと思いながら、ナオの背中を見送った。
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