その手で溶かして

偶然の再開

バイトを初めてから1ヶ月。



すっかりと仕事内容も頭に入った頃だった。



ナオが知り合いだと言っていた店長は、意外と若くて……



私の想定では、30歳くらい。



そして、その彼はナオの親戚らしい。



面接の日はそんな世間話ばかりして、私はすぐに採用となった。



何もかもが簡単に決まって行くことに、少し疑問と不安を抱きながらも、お金が稼げるということに、ホッと肩を撫で下ろした。



ただ、一つだけ……



物凄く予想外の、私にとっては困ってしまう偶然が起こってしまった。



辞める選択をするのに、値するこの偶然に気が付いたのは、バイトを初めて3日目のことだった。
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