その手で溶かして
「ねっ?真雪ちゃん、いいでしょ?」



「えっ?」



完璧に自分の世界に入っていた私は、ナオの話を聞いていなかった。



「拓海は?」



「俺はいいけど。久しぶりだしな。」



一体、何の話だろう?



「真雪ちゃんは会いにくいかもしれないけど、会わなきゃ、その分会い憎くなっちゃうよ。」



これから、誰かに会いに行く会話。



ナオとウミ以外の私の知り合いと言えば、遠藤君しかいない。



「このままじゃ、いけないと思うんだ。私達も一緒に行くから。」



しかも、この3人で会いに行くというなら、遠藤君以外には考えられないだろう。



久しぶりに思い出した遠藤君の存在。



確かに、ナオの言うとおり、このままじゃ、スッキリしない。



今現在、私達はどのような関係なのか、ハッキリさせておくべきかもしれない。



それは、お互いの今後のために。
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