その手で溶かして
2人だけの空間には、相変わらず息苦しさを感じるけれど、なるべくウミとの接点を持たないように、淡々と業務をこなす。



「ユキ、時間だぞ。」



仕事に没頭していたせいか、交替の人が入って来たことにも気付かない私は、ウミに声を掛けられるまで、商品棚の整理を続けていた。



「はい。」



一応、返事をして休憩室へと入る。



今日はいつにも増して、あっという間だったな……



なんて、考えながら帰りの支度を始めた。



「ユキ。」



鞄を持ち、帰ろうと立ち上がったときウミに声をかけられた。


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