その手で溶かして
「泣いた後はこれで水分補給をしなきゃな。っていうか、これしかなかったんだけど。」



手に持っていたスポーツドリンクのペットボトルを、テーブルの上へ乗せながらはにかむウミ。



その声を聞いていると……


その表情を見ていると……


また、涙がこぼれそうだ。




「ユキ。話してくれないか?」



私と向き合う形でソファーに座ったウミは、真剣な顔つきへと変わる。



「何を?」



「あの後、何があったのか……ユキの身に、ユキの家族に何があったのか話してほしい。」



あの日……


私がウミから去ったあの日のこと。



ママを変えてしまったあの日のことだ。
< 405 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop