その手で溶かして
私が小学6年生になった頃、夜中にパパとママの言い争いが聞こえ、目を覚ますことが増えた。
一度だけ、リビングのドアの前で様子を伺ったことがあるが、怖さのあまり足が竦んだのを覚えている。
怒鳴り合う声に、物がぶつかり合う音……
話の内容をきちんと聞けるほど、冷静な状態ではなかった私は泣きながらベッドの中に潜り込んだ。
その日から、言い争いは何日も続き、夕食にパパの姿が消えた。
消えたといっても、週の半分は一緒に食事をしていた。
けれど、ママの中でパパは居ない存在になっているような感じがしていた。
幼かった私にはその状況をどうすることもできずに、ただ昔に戻ってほしいと祈るばかり。
一度だけ、リビングのドアの前で様子を伺ったことがあるが、怖さのあまり足が竦んだのを覚えている。
怒鳴り合う声に、物がぶつかり合う音……
話の内容をきちんと聞けるほど、冷静な状態ではなかった私は泣きながらベッドの中に潜り込んだ。
その日から、言い争いは何日も続き、夕食にパパの姿が消えた。
消えたといっても、週の半分は一緒に食事をしていた。
けれど、ママの中でパパは居ない存在になっているような感じがしていた。
幼かった私にはその状況をどうすることもできずに、ただ昔に戻ってほしいと祈るばかり。