その手で溶かして
「久しぶりすぎて誰だかわからなかったわ。隣なのにね。」
そう、お隣さんなのに私達は何年もの間、顔を合わすことはなかった。
ママ同様、ウミのお母さんも私達家族を避けていた。
パパとは影で会っていのだろうけど……
「母さんに話がある。」
久し振りの再会に話に花が咲くなんてことは起こることはなく、ウミはいきなり本題へと入ろうとした。
ウミがお母さんにどんな話があるのか、聞いたわけではないけれど流れからして、私達家族のことに関係する話。
そう確信していた。