その手で溶かして

話が終わり、ウミが話をやめたのに、私の耳にはまだウミの声が響いている。



ウミの言葉で語られた私達家族。



もう、修復など出来ないような気になってきた。



静まり返った室内に突然カチッという音が響いた。



音のしたほうへ目を向けると、そこには口から煙を吐き出すお母さんがいた。



「何から話せばいいかしらね?私とお父さん、真雪ちゃんのパパは幼なじみなの。」



そんな言葉から始まったお母さんの話。



私は食い入るように耳を傾けた。
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