その手で溶かして
運が良かったのか、悪かったのか、バランスを崩し、ウミのいる庭へと落ちてしまった。



塀自体はそんなに高いものではないし、落ちたからといって大きな怪我にはならないだろう。



それでも、どこかから落ちるというのは怖いもので、バランスを崩した瞬間、私は思い切り目を閉じてしまった。



塀にしがみ付いて、落ちるのを防いだり、頭から落ちないように体に力を入れたりと、まだしなければいけないことは沢山あったはず……



塀から落ちたのは私なのに


「痛ってぇ〜」


と第一声をあげたのはウミだった。
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