その手で溶かして
ゆっくりと目を開けて、自分の状況を確認してみると、私のお尻の下にはウミが下敷きになっていた。
このせいで、私はどこも痛くはないのか。
顔を歪めるウミを呆然と見つめる私に
「さっさと避けろ」
というウミの怒りの声が届く。
「ごめん。ごめん。って私が落ちてくるのがわかったなら、避けなさいよね。運動神経には自信があるんでしょ?」
ウミは肩の辺りを擦りながら、立ち上がる。
わかっている。
ウミがわざと避けなかったことも、私を抱き抱えてくれたことも、目を閉じていたって体に感じた感触ですべてをわかっていた。