その手で溶かして
「何弱気なこと言ってるの?諦めたならウジウジしてたって仕方ないでしょ?怪我する前の体に戻れるわけじゃないんだから。」
暗くてよく見えないけれど、ウミは今にも泣きだしそうな顔をしているんじゃないかな?
「話を聞いてほしいってことは、諦めたくないんでしょ?やりなさいよ。できるかできないか、やってみないとわからないでしょ?」
私はそれだけを言って、ウミに背を向けた。
最後に目の下にある泣きぼくろを目に焼き付けて……