その手で溶かして
図書室で勉強していた私に彼は声を掛けた。
その事に気付かない私は、ペンを動かし続ける。
そして、彼は私にわかるように机を握りこぶしでノックするように叩き、もう一度私に問い掛けた。
それだけのことだ。
とても驚いたけど、それだけのこと。
私がこんなにも驚いたのは日常と違ったことが起きたからで、出来事事態は普通のこと。
頭の中がようやく整理できた私は、落ち着きを取り戻し彼を見た。
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