その手で溶かして

図書室で勉強していた私に彼は声を掛けた。



その事に気付かない私は、ペンを動かし続ける。



そして、彼は私にわかるように机を握りこぶしでノックするように叩き、もう一度私に問い掛けた。



それだけのことだ。



とても驚いたけど、それだけのこと。



私がこんなにも驚いたのは日常と違ったことが起きたからで、出来事事態は普通のこと。



頭の中がようやく整理できた私は、落ち着きを取り戻し彼を見た。


< 63 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop