その手で溶かして

遠藤君。



そうだ、遠藤君だ。



彼に真雪と呼ばれたことで、私の記憶が一気に蘇った。



遠藤君はウミの親友。



思い出した。



「そんな顔をしている?」



「あぁ。久しぶりに話し掛けたっていうのに、驚かれてばかりだ。」



「ごめんなさい。久しぶりすぎて驚いているのかも。」



「それもそうだな。」



そうだ。



遠藤君はいつもこうやって穏やかに話をしていた。



おっとりしているというか、優しいというか……

< 65 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop