その手で溶かして
遠藤君。
そうだ、遠藤君だ。
彼に真雪と呼ばれたことで、私の記憶が一気に蘇った。
遠藤君はウミの親友。
思い出した。
「そんな顔をしている?」
「あぁ。久しぶりに話し掛けたっていうのに、驚かれてばかりだ。」
「ごめんなさい。久しぶりすぎて驚いているのかも。」
「それもそうだな。」
そうだ。
遠藤君はいつもこうやって穏やかに話をしていた。
おっとりしているというか、優しいというか……