その手で溶かして
少しだけ変化があったというなら、一緒に下校をしていることくらい。



私は変わらず、夕食の時間に間に合うように学校を出ている。



そのタイミングに遠藤君が合わせているのかどうかはわからないけど、私が席を立つと遠藤君も席を立つ。



帰る方向が同じ私達は一緒の地下鉄に乗った。



「そういえば、今日進路調査表の提出日だったな。」



「そうだね。」




遠藤君はいつも、なんの脈絡もなく、突然思い立ったかのように会話を始める。



「提出した?」



「勿論。」



「俺は出来なかった。」



「そう。」

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