その手で溶かして
「ポカーンと口を開けてどうしたの?ほら、さっさと食べなさい。」
「……っいただきます。」
パパはトイレかどこかに行っているのだろうか?
それならば、パパを待つはずだし、ママはパパの席を見てニコニコと楽しそうにしている。
「これはママが初めてパパに作ってあげた料理なのよ。ねぇ、パパ。」
そう言って唐揚げを持ち上げるママ。
「そうなんだ。」
「真雪も唐揚げ好きでしょ?やっぱり親子よね。」
パパと一緒に夕食を食べたいというママの強い想いが、こんな状況を作り出してしまったのかもしれない。