その手で溶かして
「明日、友達に誘われたんだけど、出かけてもいい?」
「あら、珍しいわね。」
「勉強は帰ってきてから、きちんとやるから。」
「そんなこといいわよ。」
えっ?
土曜日に図書室に行くことさえ、いい顔をしなかったママが遊びに行くことを、あっさりと了承するだなんて……
持っていた箸を落としそうになり、私は慌てて左手でそれをキャッチした。
「真雪は年頃なのに、友達と遊びもしないから心配していたのよ。楽しんできなさい。」
「ありがとう。夕食までには帰るから。」
「わかったわ。」
シャキシャキと音を鳴らして、レタスを噛み砕くママの顔が楽しそう。
私が遊びに行くということを喜んでくれているのかな?
私もレタスを口の中へ放り込む。
シャキシャキ
シャキシャキ