その手で溶かして

改札を抜けるとタイミングよく地下鉄が到着し、私達は中へと乗り込んだ。




「少し長く乗るから座ろうか。」



「うん。」




地下鉄で座ることのない私は癖なのかなんなのか、中に入るとすぐ手すりに掴まり、ドア越しを見つめる体勢をとってしまう。




「ずっと外での観戦は、かなり暑いかもしれないな。」



「屋根とかはないの?」



「ないよ。暑いの苦手?」



「大丈夫だと思う。」



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