その手で溶かして

ウミが夢を追い掛けて、走っている姿を見たくないわけではない。



でも、今まで目を背けていたのに、ここで見てしまっていいのだろうか……



「ここだな。飲み物でも買って行こうか。」



「そうだね。」



考え事をしていると5分なんてあっという間で、私はいつの間にか大きなグランドを目の前に立ちすくんでいた。



両サイドにはアルファベットの“H”みたいな形をしたポールが立っている。



きっとあれがゴールだ。



ゴールからゴールまでは、一体何メートルあるのだろう?



この中を何度も行ったり来たりするかと思うと、想像しただけで目眩がする。


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