虹の音

「生まれつき体が弱くてね…去年、死んじゃったの。まだ4歳だったのに」


紗和先生はまだ若くて、哲っちゃんより2つ上の28歳。


くしゃりと笑って見せた顔は年の割にふけてみてた。


「その子に会いたくて会いたくて…毎晩悲しくて泣いたものよ」


ふふっと笑いながらショートカットの黒髪を耳にかけた。



「そしたらね…ある日、夢を見たのよ」



………夢?


「…それって、」