虹の音
――ガチャッ、
「もしもし、凛か?」
…つながった。
「お父さんっ、あのね!!」
――今まで言えなかった言葉が全部全部、一気に噴水のようにあふれてきた。
「あのねあたしお父さんにカレー食べてもらってうれしかった!誕生日覚えててくれて本当にうれしかったの!」
「え…?」
「ケーキ…今日お父さんが帰ってきたら一緒に食べようよ!お父さん」
「りっ…凛?!どうしたんだいきなり…」
一気に、一気に。
あふれてくる言葉。
「あたし今の学校大好きなの!だから毎日とても楽しいの」
止まることを知らない言葉。
「ずっとこの場所にいたいの…!」
こんな転校のことなんて…
まだ二年も先のことなのに言ってもしょうがないかもしれない。
お父さんは訳が分からずが混乱するだけなのかもしれない。
だけど。
いつあたしは泣いてしまうのか分からないから。
だから、
伝えられるときに伝えておくしかないんだと思う。