虹の音


でもそれから、空木はあたしと目を合わせなかった。

一日中ずっと。

変だった。

いつもならくだらないことで話しかけてきて、あたしや伊純の笑いをとろうとふるのに。

今日は龍真じゃなくて別の友達と話し、そうでないときはずっと机に突っ伏していた。

空木はいつもと違った。

それに気づいてるのは、あたしと伊純、それから龍真だけ。


「今日…変やない?空木」

「…うん」


昼休み、あたしと伊純はお昼を食べながら、机に突っ伏している空木を見て話していた。


「何か怒ってるんやろか」

「…部活でまた先輩に何かされたとか」

…それはないか。

自分の事情で他人にあたるような人じゃないもんね、空木。

どんなに辛いときも、友達の前では笑ってたし。


ってことはもっと別の理由…?

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