虹の音



神様があたしに一歩近づく。




そして目の前まできて、そっと手の平をあたしの頬に当てた。



「…ただお前が、逢いたいと願っているから」



言葉が出てこない。


思考が一瞬停止する。


体が固まる。


そして目を見開く。



「それだけ」



「…………」


言葉が出ない。



神様の手は、温かかった。
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