虹の音
「時間を戻してあげる」
神様は少しだけあたしに近づいた。
そして、囁くように小さな声で言った。
「但し、制限時間はお前が涙を流すまで」
――……涙?
「泣いた時点で、お前は元の時間に戻って来る」
――…それって、
「泣かなければ永遠に、あっちの世界にいれる」
――…泣けないってこと。
「私の力は完璧ではない」
神様の言葉があんまり頭に入らない。
涙を流すなというのが、あまりにも残酷な気がして。