虹の音
「でさ!!凛はぶっちゃけどーなん!!?」
前の席の伊純がいきなり話題を振ってきた。
「え?何が」
「好きな人とかおるん!!?」
吹いてしまった。
だって空木が起きたから。
目があったから。
目線をそらしてしまう。
「いないよ〜」
いるって言えなかった。
だってまだ空木が聞いているような気がして。
まだ空木がみているような気がして。
まだ、
もしかしたら
空木がこっちを向いていてくれるような気がして。
そっともう一度、空木の席へ視線を戻す。