虹の音


そのためにこんな遅くまで待っててくれたの?

体の芯からあたたかい物が伝わって来て、目の奥がじんわりと熱を持った。


…嬉しかった。



「ありがとう…」


やば、声ふるえた。


「…別にっ」


空木はぷいと横を向いた。



パキッとパピコを折って、半分をあたしに渡そうとした。
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