虹の音



「ん」

「ありが……―ッ!!」



渡す瞬間に、空木とあたしの指先が一瞬触れた。


あたしが思わず手を引っ込めたから、行き場を失ったパピコは床に落ちた。



「……え…」



顔を真っ赤にしたまま俯くあたしを見て空木は動きが止まった。



「あっ…ごめん!!そんな…触るつもりとかなくて」


空木が慌てる。



…嫌がってるって思われた?
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