虹の音
…ブーッ…ブーッ…
自分の足元でケータイが鳴っていた。
その音で目を開けた凛は、むくりと起き上がって辺りを見回した。
「……あれ…?」
自分が制服を来ている。
見慣れない光景に戸惑い、数分考えてから、はっと思い出した。
(あたし、昨日あのまま寝ちゃったんだ)
時計を見るとまだ余裕があったので、シャワーを浴びた。
肩まで伸びた栗色の髪を拭きながら部屋へ戻ると、ケータイの緑色の受信ランプがチカチカと光っていた。