虹の音
「あ〜…何かドキドキした…」
ドサッとベッドに倒れ込みながら、そんな独り言をつぶやいてみる。
メールを送る。
そんな簡単な動作なのに、相手が空木ってだけでこんなにも緊張して、指先が震える。
(空木もあたしと同じ気持ちだったらいいのにな…)
本当にそうだったらいいのに。
でも今はこれでいい。
空木に"凛"と呼んでもらえるだけで、今は十分幸せなんだ。
…ブーッ、ブーッ
「うわっ」
いきなり鳴ったケータイに驚き、体がビクンと跳ね上がった。
さっき目が覚めたときの音はこれだったのか、と思いながらケータイのディスプレイを見る。
"受信:篠宮空木"
…返信早っ!!