虹の音


それから学校に着くまで、二人は何も話さなかった。

…凛は、話せなかった。


空木はどんな思いであたしの横を黙って歩いたのだろうか。



宿題を渡す目的で、空木はあたしを朝早く迎えにきたのだ。

自分に責任を感じただけなのだ。



それなのに。


少しだけでも、あたしの事見てくれてるんじゃないかな。


って考えちゃうあたしは、



やっぱり自意識過剰なのだろうか。



…それでも…あたしは…




「凛?」




…沈黙を破った声。
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