虹の音


「えー今日は6月の球技大会の種目決めるぞ〜」

哲っちゃんがカツカツと黒板に種目と人数を書いていく。

・バレー
・バスケ
・野球
・サッカー

「部活やってるやつはその種目優先で〜」


「えー俺バスケやりてえ〜」

野球部の坊主頭、森健吾(通称:森ケン)がだるそーに言った。

「はー?何言っちゃってんの」

お前が行かなきゃ誰が行く。

お前ほど野球が似合う坊主頭はこのクラスに1人しかいない。

と、みんなが森ケンに言う。


「え〜球技大会ぐらい野球じゃないやつやりてーよ」

「そうだぞ森ケン!俺は優勝をねらってんだ」

と、なぜか入ってくる哲っちゃん。


「だって優勝したクラスにはご褒美があるんだぞ!!」


「えっご褒美!!?」

みんなの視線が一斉に森ケンから哲っちゃんにかわる。

そうそう…あるんだよね。

この学校の球技大会には、優勝クラスにご褒美が。


「そうそう〜クラス全員分の高級プリンが用意されて…」
「おい森ケン!お前野球以外許さね―!」

みんな…。

興奮しすぎて我を忘れている。

いくらクラスに現役野球部が森ケンしかいないからって、すごいと思うよ。

他の部活は?って感じだ。

バスケ部なんか女子は3人もいるのに。
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