゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

 窓の外では馬鹿に

したように、枝葉が

ふるえている。その

むこうには、狂喜し

ているバケモノと、

目にしみるような赤

。恐怖を感じたもの

の、外も危険だ。出

ようかどうしようか

迷っている内に、背

後から肩をつかまれ

た。床に叩きつけら

れる。激しい痛みに

涙ぐむ。ケータイが

指から離れ、跳ねて

いく。

「誰……?」

おびえた表情で、静

寂に尋ねる。うす暗

がりに、月光のよう

な脚が降り立つ。プ

リーツスカートに紺

色のハイソックス。

一切音をたてずに歩

いてくる。上半身が

斜めに影っていて、

顔は見えない。ゆみ

は顔をひきつらせて

、息を凝らして首を

ふる。

「い、

  来ないで……」



< 323 / 406 >

この作品をシェア

pagetop