つむじ風。
いつからだったのか。
気が付けば、おまえはしゃがんだりする時には、必ずセーラー服の胸元を押さえていた。
そこから肌や下着が見えないように、と。
俺の周りでそんなことに気を遣う女子なんて、おまえの他にいなかった。
おまえは必要以上に制服のスカートを短くすることもなかった。
規定どおり、膝丈。
周りの女子が化粧や髪の色を変えようとも、
おまえは常に素肌で、黒髪だった。
でも男たちに人気があったのはなぜか。
それは多くの男が、
恥じらいを持ち合わせた、おまえの飾らない魅力に気付いていたからだ。
大人になった今でも
俺は他の女にも同じようにそれを求めてしまう。
だから俺は、
「女」にうるさい。
いかに妖艶であろうと、
恥じらいを知らない女には心動かされることはない。
世の中には、その恥じらいを知らない女がいかに多いことか。
人前で堂々と化粧を施し、
足を広げて座り、下着が見えようともおかまいなしにその脚を組む。
食事中も肘をつき、携帯をいじるのに明け暮れる。
言葉遣いもいただけない。
そんな女が多い。
今まで関わってきた女にも、そういうやつが多かった。
俺の前ではどれだけしおらしくしていても、
その場しのぎの「恥じらい」なんて、すぐにボロが出る。