つむじ風。

「おまえらはどうする?」

「もちろん連れて行ってください」
「俺も。離れたくないっす」

かわいいやつらだ。

「ありがとう」そう言う代わりに、
俺は二人に頭をさげた。

「これからは全力でおまえたちを守る」

直人、浩介。
おまえらは俺の大切な弟だ、家族だ。

何があっても一緒だ。
どんなことがあっても、俺はおまえらを守り抜く。

「やだなあ、亮二さんてば」
金髪の頭が揺れる。

「それは俺たちのセリフですよ」

照れたような3つの笑い声がしばらく続く。


しかし、一番大きな声で笑っていた浩介が、ふいに真顔になって、俺に向き直った。

「亮二さん…」

「なんだ」

「あの…博子さんのこと…」
そこまで言って、俺の険しい顔に気付き、口をつぐむ。

「うるせぇよ」

「でも…」

「うるせぇっつってんだろ!」

もう終わったんだよ。
もう連絡もしないし、会うこともない。

「俺はね…」
視線を落とし、ポツリポツリと浩介は言う。

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