つむじ風。

「もう、やっと言ってくれたのね」

「……」

「あなた、よくあの頃、校門前でずっと待たせてってボヤいてたでしょ?」

そうだったな…

「でもね、私は15年もこの言葉を待ってたのよ」

涙声が胸に響く。

なんだよ。
待たせてたのは、俺の方だって言うのかよ。

ったく、最後の最後に一本取られたな。


でも、博子。
もう待たなくていい。

俺の想いは全ておまえのものだ。


「この先、どこにいようとも、
何をしていようとも、
俺は一生涯、おまえだけを想い続ける」


長年の想いを告げられた、
そんな安堵感が全身に広がっていく。

だが、おまえは言った。
「だめよ」と。

何度も首を横に振りながら、
悲しそうな瞳で、俺を見上げる。

「だめよ、そんなこと」

…博子?

「だって私、あなたの気持ちには応えられない」

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