つむじ風。

ドンッ…

「……!?」

横から勢いよく何かが俺にぶつかった。

何が何だかわからなかった。

ただ、左半身に力が入らない。

「……!」

膝を付いて、初めてわかった。
わき腹が赤く染まっている。

やられた…

途端に激痛が全身を襲う。

誰だ?
よその組か?
それとも…

滴り落ちる血を見ながら、俺は考えを巡らせる。

だが、浩介が俺を刺した人物の名を呼び愕然とした。

くそったれが…
おまえか…


こんなやつに隙をつかれるなんてな…


必死で俺は立ち上がる。


こんなところで俺は立ち止まるわけにはいかねぇんだよ!


「騒ぐな!こ、こんなのたいしたことない」

俺は目の前の怯えた男を睨んだ。


おまえなんかに、やられるわけにはいかねぇんだよ!


「おっおまえが悪いんだからな!」
その男が叫んだ。
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