つむじ風。
なぁ、博子。
俺は生まれ変わったら…
風になる。
おまえの頬をそっと撫で、
花の香りを届け、
優しく包み込む。
そして時に激しくその黒髪をかき乱し、
おまえのすべてを奪い去る。
今度こそ…
おまえのその頬に、俺は血だらけの手を伸ばす。
ああ、おまえにはやっぱり短い髪が似合う。
そのほうが、その黒目がちな瞳がよく映えるんだ…
きれいだ、本当におまえは…きれいだ…
なぁ、博子。
最後に聞いてくれ。
本当にこれで最後だ…
こんなこと言ったら、加瀬さん…
怒るだろうか…
でも、あの人のことだ、
耳をふさいで、許してくれるよな。
いいか…
一回しか言わねぇからな…
よく聞けよ…
「博子、愛してる…」
永遠に
愛してる…