ずっと忘れない
短編小説②

私は1回も恋をしたことがない。
男の人に興味がない。

今日、私は高校に入学する。
友達が出来るか心配だった。
でもたくさんの友達が出来た。

その日から
毎日が楽しくなった。
周りにも目が行くようになった。

春のある日

友達と廊下を歩いていた時
たまたますれ違った人に目がいった。

スゴくカッコよくて
すぐに好きになった。
でも最初は恋ではなかった。

だって相手は
2歳も年上だったから。
先輩だった。

それからすれ違うたびに
ドキドキと心臓が高まった。

それは今まで私が体験したことのない感情だった。

だから最初はこれが何だか
全く分からなかった。

でもやっと気付いた。

この気持ちは 恋 だと

今まで気付かなかった分
先輩との距離を縮められるように努力した。

先輩だから接する機会もない。
だから出来るだけ先輩の前では笑顔でいた。

でも私に出来るアピールは
これだけだった。

もっと近付けたら…
もっと私が可愛かったら…
そう何度も思った

秋のある日

先輩に彼女がいることを知った。

…正直ショックだった。
悲しくて一度は諦めようとした。

…でも
先輩の笑顔を見て
まだチャンスはあると思った。
だから私は諦めなかった。

それからもずっと
アドレスを聞いたり話しかけようとしたが
出来なかった。

気が付けば
もう1年生が終わろうとしていた

先輩は卒業しない予定だった。
理由は留年。
先輩は留年して私の学年に来る予定となっていた。

だが

先輩は私が2年生になっても
私の学年に来ることはなかった。

そして
学校に来ることがなかった。

先輩は
学校を退学したのだった

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