ずっと忘れない
9月
文化祭の季節がやってきた
私は少し期待をした。
もしかしたら先輩が来てくれるのでは…と。
私の期待は現実となった。
先輩がまた
私と同じ学校の校舎を歩いている。
それを見ただけで
涙がこぼれそうになった。
…私は先輩に会いに行った。
話し掛けに。
そしてアドレスを聞くために。
いきなりだから
軽いと思われるかもしれない。
でも…それでも…
先輩との繋がりを持ちたかった。
「先輩」
先輩が振り向いた。
誰?って顔をすると思ったのに
先輩は…
ニコッと笑ってくれた。
「アドレス教えて下さい」
彼女がいるのは分かってる。
ダメもとだって分かってる。
それでも…
大好きだから
先輩は私が緊張してるのを察してくれて
「そんなかしこまらなくても、教えるよ」
そう言ってあっさりと教えてくれた。
私は嬉しかった。
本当に嬉しかった。
その日から毎日のようにメールをした。