LOVE FIGHT〜恋の勝負〜


「でもさぁ…」


「はい?」


会長は何故か
弁当も箸も受け取らない



「食べさせてくれるんじゃないの?ふつーは。」


「…………………え?」


ヤバい


「だって、俺のこと惚れさせるんでしょ?」


明らかに

さっきまでと雰囲気が違う


「そのくらい、平気でやれるでしょ?」


さっきはどちらかと言えば

お腹を空かせた子犬みたいだったのに


「何言ってるんですか…誰かに見られたら…」


「何か問題あんの?恋人いないでしょ?」


今はまた

獲物を狙う狼のような瞳―


「ほら…はやく……凛々華」


「っ……」


耳元で名前を呼ばれる


いつもは

お前とかあんた なのに


馴れないことしないで―


「俺は、積極的な子の方が好みなんだぜ?」


「………分かりました。」


やってやろうじゃない


それで少しでも早く

会長をおとせるのなら


「そのくらい、たいした事じゃありません。」


「フッ………可愛くねー。」


「何か?」


「いや?何も。」














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