LOVE FIGHT〜恋の勝負〜


「Xに―を代入して……」

無事に遅れることなく
教室に戻った私達は

いつも通り真面目に
授業をうけている。


あっ

淳くんはいつも通り
居眠りしてるけど。。


そういえば会長

ちゃんと教室に
戻ったのかしら…


あの人のことだから
あのままサボりそう。


副会長として責任をもって

授業に参加させるべきだったわ…


「………さん」


いや

あんな人


私には関係ないわよね…?


「紫乃原さん…?」


「え?」


前の席の子が話しかけてきた


「先生、指名してるけど…」


「大丈夫か紫乃原。具合でも悪いか?」


「あっ…いえ、問題ありません。ご心配おかけしてすみませんでした。」


「大丈夫ならいいんだ。それで、P176の問2だか…できるか?」


「はい。」


前にでて黒板に
答えを書いていく


私ともあろうものが

授業中に上の空なんて…


「…………できました。」


「正解だ。席戻っていいぞ。」


「…はい。」


「では、次の問題を―」


私は戸惑っていた


上の空だったからじゃない


自然と頭の中に


会長を思い浮かべていた


そのことに戸惑っているのだ


「………なんなのよ…。」













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