Forbidden Love
その女は……

手を口元に添え目を真っ赤にして
俺を真っ直ぐ見ていた。




その涙顔を…




俺は知っていた――…。




「あなた……」




ついに女の目から一筋の涙が
流れた。





視界がグラつき俺は意識を手放した。





―止めろっ!!―




うっすらと…声が聞こえた…。






―……



『う…』



鼻を刺激する甘い香り。



この匂いをなぜが懐かしく感じる。




重たい目をこじ開けると


見慣れない景色、見た事のない家具。



ふかふかの毛布。




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