Forbidden Love
『…っ』



この味…どこかで…




「―ど、どうしたの!?
泣くほど美味しくなかったι!?」




『え?』




頬に触れてみると




…濡れていた。




いくら拭っても拭っても
止まることを知らないように


流れ続ける涙…。




女は焦っておにぎりの乗った皿を
下げようとした。





『待ってください…。

食べます…是非…いただきます』





涙で途切れ途切れに放つ言葉。




『すごく…懐かしいんです…。

だから…涙が止まらないです』




俺はもくもくと涙を流しながら
口に運び続けた。



脳裏にこの味を思い出させるように……。





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